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書物史上の重要な出来事について、出来事が発生した地域別に色を変えて記述 しています
(例:日本=
 中国= その他の地域=
また、書物史に関連した歴史的事項(例:メソポタミア文明誕生) はで記述しています



年代

A.D.

700
8c
702 諸国の官印制度化す(『令義解』)

702 ●『戸籍』(正倉院蔵)、日本現存最古の紙資料(文書、麻紙、溜め漉き)

711 イスラム軍、ジブラルタル海峡を渡る

718 『唐書』によると、集賢殿に6名の「摺書手」とある       

720 『日本書記』完成

732 『大唐六典』によると、崇文館に「摺書手二人」とある

734 ●日本現存最古の形木押し絹織物(正倉院蔵)

737 唐王朝、律令・格式ほか法令集を50部書写、天下に頒布す(『通典』)

740 印仏1軸(正倉院蔵)、軸は赤木軸、料紙白紙
750


751 サラセン王とのタラスの戦いに唐軍大敗す(唐から製紙法が伝播)

755―63 安史の乱、チベット勢力河西地域に侵出

757 サマルカンドに製紙工場、サマルカンド紙として近隣諸国に

764 百万塔陀 羅尼経』奈良の諸大寺に納められる

771 諸仏院に寺印を頒ける(『日本書紀』)

795 アッラシード王、中国から職人を招きバグダッドに製紙工場を建てる

8c ローマ帝国崩壊後、大文字はすたれ、修道院で小文字(書物・楷書体)発生

8c後期 ●『文心雕龍』(粘葉装、大英博蔵)
~799 8―9c 墨書土器、多量に出土する(人名、地名、官名等の一字を記す)

800
9c
806 空海「三十帖冊子」を中国より将来す

814 西ヨーロッパ統一(フランク王国)

833―5 『開成石経』、石経に初めて区欄出現す区欄

835 ●『ウスペンスキー福音書』、小文字体最古の写本

835 唐王朝、日暦の印刷を禁止す(『冊府元亀』巻160。『旧唐書』文宗本紀太和9年)
850


862 延暦寺の宗叡、印刷本『唐韻』『玉篇』を将来す

865 宗叡の将来目録『新書写請来法門等目録』の最尾に西川印子(『唐韻5巻』、『玉篇30巻』)を記録

868 ●『金剛経』(敦煌出土)、中国現存最古の印刷書物とされる

869 『続日本後紀』撰集

882 ●具注暦の印刷物(大英博蔵)、敦煌出土

883 柳比が四川に来て、初めて版本を知る(柳比『家訓序』)

9c初 ●『アラビアンナイト物語』断簡12枚(米、オリエンタル博蔵)、二つ折り紙本冊子

9c ギリシャ古典のアラビア語書物へ翻訳が盛んになる

9c 小文字カロリング体(書物・楷書体)発生

9c アルクイン、写字生を集めて写本を製作

~899
ローマ字に大文字と小文字、カロリング書体を導入、単語の分かち書きを 主張す

900
10c
901 『日本三代実録』50巻完成

919 『日本紀略』に「詔以真言根本阿闍梨、贈大像正空海入唐求法諸文冊子卅帖安置経蔵」とあり


「冊子」の用語 が見られる

932―53 五代宰相、儒教経典(九経)を印刷す

950 ●『金剛般若経』冊子断簡(敦煌出土品)、敦煌写本中、唯一の印刷冊子

950頃 契丹文字創始
950


951 『後撰集』巻18雑歌に「左大臣のかかせ侍りけるさうしのおくにかきつけ侍りける」とあり


「冊子」の用語 が見られる

958 高麗、科挙の制度

960 エジプトに紙が伝わる

961―76 コルドバ・ウマイヤ朝アル・ハカム2世カリフ(在位961~76)宮殿に図書館を建てる(40万蔵書)

967 ●『救諸衆生苦難経』(北京歴博蔵)、漉き返し料紙の現存最古

971 ●中国蜀版『一切経』、1071年の再版が日本の南禅寺にあり(1巻)

975 ●『舎利宝キョウ印陀羅尼経』(中国の仏塔より出土)、北宋版現存最古

990 ●山西省仏宮寺木塔より契丹版『大蔵経』ほか版本出土

991 『淳化閣帖』、宋の太宗が王義之の書跡を集帖す
~999 992 『仁王経』の摺り経記事あり(『小右記』)

1000
11c
1000頃 木版印刷が普及する

1009 『法華経』1000部の摺り経記事あり(『道長関白記』)

1023 紙幣(官営交子)印刷の嚆矢(中国四川の成都)

1041 畢昇膠泥活字発見(沈括『夢渓筆談』、「印刷」の文字初見)

1050頃 西夏文字創始
1050


1052 ●『大日如来不動明王往生立成大威怒法』(高野山蔵)、古文書の紙背を利用した粘葉装

1067 『江談抄』によると、図書寮の紙工が製紙料として『外記日記』200巻を盗む

1080―12c ● 北宋版東禅寺版『一切経』(折本)

11c初 ●『御注孝経』儒教経典北宋版現存最古
~1099 11c この頃、冊子製本の「かがり台」発生する

1100
12c
1109 ●シチリアの「ロジェロ2世の証書」(ラテン、アラビア語)、ヨーロッパ最古の紙

1134 ●『打聞集』(京博蔵)、日本現存最古の包背装(1082 年の文書紙背を利用、袋折り)
包背装

1145 シチリア王ロジェロ2世、それまで紙に書かれていた文書について羊皮紙への転写を命ず

1164 ●『平家納経』の見返しに「葦手絵」、その嚆矢

1150 スペイン、サディバに製紙工場ができる

1150 この頃、ヨーロッパに亜麻の栽培普及

1150 パリ大学、神学研究所として発足
1150


12c 十字軍遠征を通して木綿がシリアからヨーロッパへ伝わる


(その他の栽培植物、米、ゴマ、レモン、アンズなど)

12c 中国北宋時代、絵画の素材としての紙が確立する(李公麟、米フツ父子ほか)

12c中期 ●『扇面法華経』(粘葉装)、風俗下絵を印刷、経は書写

12c後期 草書体発生(書簡・文書)
~1199 1200 この頃、ヨーロッパに亜麻の栽培普及、羊毛に代わってリンネルの下着

1200
13c
1231 ローマ皇帝フリードリッヒ2世、公文書を紙に書くことを禁止する

1234 イタリアに製紙技術伝わる

1236 『アルフォンス10世の法典』、紙を布のパーチメントと称す

1238 鎌倉幕府将軍頼経への献上のため、『空海将来目録』原本から10行切り出す
1250


1274 ●『新古今和歌集』(3冊、冷泉家蔵)、綴葉装と袋折り(1274年の文書)混在

1287 ●『宝物集』(光長寺旧蔵)、袋綴(包背装と推定、現装は巻物)

1295 マルコポーロ、中国から帰国

1294―303 ●『私歌集』(43冊、冷泉家蔵)、包背装(1294年の文書を袋折り)と綴葉装が混在する

1297 中国の王禎、木活字印刷発見(中国現存最古の木活印刷書は14cの高麗版『山谷詩集注』)

13c初 ヨーロッパ各地に大学創立(1400年までに50大学)

13c ゴシック体(書物・楷書体)発生
~1299 1300―18 ダンテ、民族語で『神曲』著述

1300
14c
1321 ソルボンヌ大学図書館規則規定「各部門の最も貴重な本を鎖につなぐこと」


(その財産目録より330部と判明する、クセジュ文庫『図書 館』より

1321 ●『黒谷上人語灯録』、平仮名交じり印刷の最古

1325 ●『寒山詩』(五山版)、漢籍印刷の嚆矢

1338 フランスに製紙技術伝わる

1344 ●『夢中問答』、片かな交じり印刷の最古
1350


1354 足利尊氏、京及び鎌倉の僧、百名を動員して『一切経』を書写、但し刊記(100字)は印刷する

1348~53 ボッカチオ、民族語で『デカメロン』著述

1364 ●『論語集解』(正平版)、漢籍経書印刷の嚆矢

1387 ●『倭点法華経』、返り点、送り仮名印刷の嚆矢

1390 ●『融通念仏縁起絵巻』、絵巻印刷の最古

1387~1400 チョーサー『カンタベリー物語』、ロンドン地方の言語で書かれる

1389 ドイツに製紙技術伝わる

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